本橋梁は、厳しい塩害環境下に架設されており、竣工後28年が経過している。3径間の単純鈑桁橋であり、橋長77.1m、支間長25.0mである。下部構造には、逆T式橋台、張出し梁を有する橋脚があり、基礎形式はいずれも杭基礎である。平成15年に詳細調査(外観調査)を実施した所、既設の鋼製支承が腐食しており機能してない状況であった(写-1参照)。また、段落し部を有する橋脚の復元設計を行い現行基準のレベル2地震時の耐震性能(地震時保有水平耐力)を照査したが満足していない結果となった。本橋梁は、昭和55年以前よりも古い基準で設計が行われかつ迂回路がない場所に架設されているため、「緊急輸送道路の橋梁耐震補強3箇年プログラム」(以下、3プロと称す)の対象橋梁であり、応急対策として段落し部の補強と落橋を防ぐための落橋防止装置の設置が必要となる。しかし、本橋梁の支承が機能していないため、支承取替えのみ(支承条件変更を変更)で耐震性能2を確保することを設計方針として実施設計を行ったものである。設計方針としては、落橋を防ぐために桁連結を行い、レベル2地震時に支承のみで抵抗するタイプB 支承に取替えを行うものとした。

平成19年: 社)沖縄県測量建設コンサルタンツ協会 / 担当:親泊、比嘉、金城、高安

既設橋梁の耐震補強工について[PDFファイル]